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大阪地方裁判所 昭和53年(ワ)2980号 判決

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

【判旨】

原告は、別紙貸金一覧表に記載の(1)(4)の各貸金一〇〇万円の利息制限法所定の制限利率は年一割八分であると主張している。しかしながら、利息制限法違反の利息が天引された場合に当事者間に成立した消費貸借契約の元本の額は、債務者の現実に受領した額ないしは右受領した額に制限利息を加えた額ではなく、当初当事者間で約定された名目的元本額であると解すべきであり、ただ、天引利息のうち超過利息を計算するに当つては、債務者の受領額を元本とし、これに利息制限法一条所定の制限利率を乗じて算出し、その超過部分を右約定の元本の支払に充てたものとみなされるので(利息制限法二条参照)、右名目的貸与額から超過部分をさし引いた残額は、利息天引後の残元本になるものと解すべきである。これを本件についてみるに前述の通り、別紙貸金表に記載の(1)(4)の各貸金の名目的貸与額はいずれも金一〇〇万円であるところ、原告は右金一〇〇万円から月四分の割合による一ケ月分の利息金四万円を天引して金九六万円を被告に交付したのであるから、右各貸金は金一〇〇万円について成立し、その当初の元本は、金一〇〇万円であつて、金九六万円ないしこれに制限利息を加えた金九七万四六七六円ではないと解すべきである。したがつて、(1)(4)の各貸金の制限利率は、年一割五分であつて、年一割八分ではなく、また、右年一割五分の制限利率は、その後元本の一部が返済されて残元本の額が金一〇〇万円以下になつても変りはなく、このことは、天引利息のうち制限超過部分が元本の支払に充てたものとみなされた結果、残元本が金一〇〇万円以下になつた場合にも同様に解すべきであるから、右(1)(2)の各貸金の制限利率は年一割五分というべきであつて、右の限度を超える原告の主張は失当である。(なお、右の場合、天引された利息金四万円のうち制限利息を算出するに当つては、利息制限法二条の規定により、現実の被告の受領額金九六万円に年一割八分の利率を乗じてこれを算出することになるに過ぎないのである)。 (後藤勇)

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